お礼奉公(おれいぼうこう)
2025年も押し迫り、いよいよ年末です。
一応12/29で年内の営業は終わりですが、今のところ12/30まで工事予定が入っています💦
本日は昔の年末行事、お礼奉公(おれいぼうこう)の話
年の瀬が近づくと、ふと思い出す・・・私が建築を始めた頃、大工さんから聞いた話
昔は年末になると、「お礼奉公(おれいぼうこう)」で施主さんの家を訪ねていたそうです。
大工をはじめ、建具屋などの職人が、家を建てたり改装したりしたお家に伺って、不具合や気になるところなんかを無料で修理したりする習慣です。
お正月を快適に、気持ちよく迎えようという職人たちの粋な計らいだったそうです。
また、丁稚や弟子、住み込みで働く若者たち(北九州市や福岡市には熊本や鹿児島、九州各地から中学卒の子が集団就職で来てたそうです)は、年末年始に実家へ帰る代わりに、世話になった親方や主人の家に残り、普段以上に働いたそうです。掃除、餅つき、正月支度、来客の応対。文字どおり「一年の恩を礼で返す奉公」である。
そこには賃金や労働時間を超えた、人と人との関係があった。教えてもらった技、食べさせてもらった飯、叱られた日々。そのすべてに「ありがとうございました」と頭を下げる気持ちを、体を動かして表す。それが年末のお礼奉公だったのでしょう。
今の価値観から見れば、非効率で、時に不公平にも映るかもしれない。
だが、あの時代の空気には「お互いさま」や「面倒を見る・見られる」という温度が確かにあった。奉公する側は守られ、迎える側もまた責任を背負っていた。
便利になり、契約と数字がすべてを説明する時代になった。
だからこそ、年末に誰かの顔を思い浮かべ、「今年もお世話になりました」と一言添える行為が、どこか新鮮に感じられるのかもしれない。
お礼奉公は消えても、「恩を忘れない心」まで失くしてしまう必要はない。年の終わり、少しだけ背筋を伸ばして、今年出会った人や出来事に静かに礼をする。それだけで、年末は十分に意味を持つのだと思う。
現代では、距離や年間施工数の数も多い為、携わったお客様のお家に全て伺うことができないため、年末に限らず、定期点検や、この「まごころ通信」でお声掛けをさせていただく程度です。
伺った折には、お家の困ったことだけでなく、ご家族のこと、お仕事のこと、気になっていることなど、どんなことでも気楽にお話いただけると嬉しいです。
お客様と、何でも気軽にお話や相談ができることはリフォーム屋として、私の目標とするところでもあります。